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執筆者の写真藥井遥(社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント・1級FP)

失業給付の給付制限が3か月から2か月に短縮へ

令和2年8月、雇用保険法の改正において10月1日以降に離職された方は、正当な理由がない自己都合により退職 した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が2か月となることが決まりました。

失業給付には7日の待期期間+給付制限がある

そもそも、雇用保険の失業給付を受けようとする場合、解雇や退職をしてから7日間の待期期間があり、待期期間を過ぎなければ失業給付を受けることはできません。


さらに、退職理由が転職等の自己都合であったり自己の責めに帰すべき理由による解雇であれば、7日間の待期期間+3か月間の給付制限がかかり、その間失業状態であっても失業給付が支給されませんでした。


※倒産・解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀 なくされた方や、上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した方、期間の定めのある労働契約が 更新されなかった方、退職勧奨を受けて離職した方、体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、 妊娠、出産、育児、 配偶者や扶養すべき親族との別居を続けることが難しくなった、その他やむを得ない理由により離職した方であれば、給付制限を受けることなく失業給付を受給することができます。



しかし、今回の改正により令和2年10月1日以降に離職した場合は、給付制限にかかってしまう方も給付制限の期間が5年間のうち2回までは2か月と短縮することとなりました。




失業等給付の受給資格を得るために必要な 「被保険者期間」の算定方法が変わります

今回の雇用保険の改正には、もう一点ポイントがあります。


これは昨今のダブルワークで働く方やパートなど短い時間で働く方にとっての朗報なのですが、失業給付の受給資格の確認を行う際の判定要件が緩和された点にあります。


失業給付の受給要件を確認する際、原則は「離職の日以前2年間に、賃金支払の基礎となる日数が11日以上ある月が通算で12か月以上あること」が求められます。


ただし、この基準では、週20時間以上(1日8時間、週3日など)の雇用実態があって雇用保険に加入しているパートタイマーなどが、月10日しかたまたまシフトに入ることができなかった場合、受給要件判定の基礎となる月としてカウントできないという問題がありました。


改正後は、賃⾦⽀払の基礎とな る日数が11日以上あるか、または、賃⾦⽀払の基礎となった労働 時間数が80時間以上ある月を1か月として計算し、受給要件判定の基礎となる月としてカウントできるようになります。


この改正は令和2年8月1日以降に離職した方から対象になります。



企業の離職票作成事務に影響も

今回の改正を踏まえ、離職⽇が令和2年8⽉1⽇以降の⽅に関する「離職証明書」 を作成する際、「⑨欄」と「⑪欄」に記載する賃⾦支払基礎日数が10日以下の期間については、当該期間における賃⾦支払の基礎となった労働時間数を「⑬欄」に 記載するよう、留意する必要があります。



失業給付受給までの流れまとめ

離職してから失業給付の受給までの流れは、以下の通りです。



住所管轄のハローワークで詳しく手続を確認できますので、失業給付を受けられる予定で不安な点がある場合はハローワークまでお問い合わせくださいね。

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